インバウンド × デジタルマーケティングを学ぶ

世界中に販路を広げる「海外Webマーケティングの教科書」


Vol.2 設計フェーズのポイント

 次の「②設計フェーズ」は、1か月から1か月半ほどかかります。設計フェーズで最初に行なうことは、webサイト内の各ページの構成要素、つまり画像の位置や大きさ、タイトルのつけ方などのレイアウトを示した「ワイヤーフレーム」をつくることです。
通常、ワイヤーフレームは、制作会社が設計フェーズで提示してくれるはずです。この作業は、ある程度、制作会社に任せてしまってもよいでしょう。
 発注側では、会社のコーポレートカラーやメイン画像のイメージなどについて認識を合わせておく必要があります。どんな色調をメインにするかというのは、デザイナーにとって欠くことのできない情報です。
 トップページで使う画像は、環境にやさしい会社を表現するのか、技術力の高さを打ち出したいのか、もしくは規模感や信用を前面に出すのかなどで、当然異なってきます。
 また、自治体の観光関係のサイトであれば、見た人が訪れたくなるような、よりビジュアルを重視したつくりになるでしょう。

そうしたサイトのイメージについては、なるべく多くの情報を制作会社に伝えていくことが大事です。
 「日本語での原稿準備」については、3章の翻訳のところでも詳述しますが、ここでは見落とされがちな点のみを指摘しておきます。
  日本語での原稿は、サイト制作を依頼する発注側が出すものですが、その際に気をつけていただきたいことは、「五月雨式に原稿を出すのを避けるさない」ということです。
 海外向けのwebサイト制作の場合、そこに「翻訳」というプロセス が入るのですが、いったん翻訳したものを一部分だけを変更すると、全体のバランスが乱れる。

たとえば、この一文だけを差し込みたいというときに、その一文だけを新たに翻訳して挿入すると、日本語と外国語のそもそもの表現手法の違いで、前後の文章との整合性がとれなくなってしまうことがあります。そのため、一文を変えただけでも、全体の文章と照らし合わせながら再翻訳をする必要が生じてきます。
 そうなると双方に余分なコストと手間がかかるため、とくに初回のサイト構築では、日本語段階での原稿をしっかりと固めてから翻訳プ ロセスに入るようにしたほうがよいでしょう。